メンタルヘルスマガジン『こころの元気+』2019年7月号(149号)
メンタルヘルスマガジン「こころの元気+」2019年7月号を紹介します。
この本はメンタルヘルスマガジンという名の通り、うつ病や躁うつ病、統合失調症などの精神疾患をかかえる本人向けの雑誌です。なかなか精神疾患を取り上げて毎月発行される本は無かったですし、何より同じ病気をかかえて闘病生活を送っている人たちの声が聞ける唯一の本です。
毎号の特集はもちろん、たくさんの連載があり、いつも楽しみに読ませてもらっています。そしていろいろ参考になっています
もし、まだ「読んだことが無い!」という方は、ぜひ読んでみてください。「こころの元気+」は、コンボの賛助会員の方に毎月15日頃をめどに(郵便事情により前後します)お届けする会員誌のメンタルヘルスマガジンです。購読の申し込みは、下記のホームページからできます。(会員誌のため書店では販売していません)
精神疾患をもつ人にとって、リカバリーはとても大切な考え方ですが、一方で「リカバリーは精神科病院では起こりえない」と言う人もいます。
しかし、精神科入院医療、医療サービス中心の日本の精神保健福祉において、リカバリー志向サービスを進めるためには医療機関における取組みも不可欠です。
この特集は、精神科病院でもリカバリーを進めていくべきであることを伝えるとともに、これからの日本の精神科医療がリカバリー志向を進めていくために必要なことは何かを考えます。
※リカバリーとは?:
英語としての意味は「回復」ですが、単なる回復だけではなく、病気などによって失われた自分の可能性を広げていくプロセスのことで、それには限りがなく、人によって異なるものとされています。
リカバリーは何かというテーマで長い話し合いができるほど、多様なものとなっています。
- 【特集1】まんが:入院もつかって地域で生活 /のこ
入院と退院の体験で、出逢った人、感じたこと
- 【特集2】病院・医療のリカバリーを進める/大島巌(コンボ代表理事)
リカバリーの実現は病院では本当にむずかしいのか? - 【特集3】病院でリカバリーは無理でした/投稿
閉鎖病棟や保護室での現実がどのようだったかを書いていただきました。
- 【特集4】ピアスタッフが思う病院でのリカバリーの可能性/佐藤由美子(東大病院精神神経科ピアスタッフ・精神保健福祉士)
病院でのピアスタッフの役割や仕事とはどのようなものかを伝えます。 - 【特集5】共同意思決定が病院・医療のリカバリーを進める/藤田英親・岡本和子・黒木紀子・二宮史織(国分寺すずかけ心療クリニック)
医師と利用者(患者)が対等に話し合いやすいようつくられたSHARE(シェア)というパソコンのシステムを病院ではどのように使っているのでしょうか?
- 【特集6】入院中でもリカバリー/投稿
自分が入院していたときの気持ちや意識の変化を書いていただきました。
- 【特集7】IMRが病院・医療のリカバリーを進める/中村亮太、吉見明香(横浜市立大学医学部精神医学教室)
テキストを用いて行う心理社会的なプログラムIMRは、病院で具体的にどのような効果があるのでしょうか? - 【特集8】包括的暴力防止プログラム(CVPPP)の取り組みと病院でのリカバリーの推進/下里誠二、木下愛未(信州大学医学部保健学科)
CVPPPはしっかり対話をして、当事者の味方になることを考えるためのケアの技術です。
(CVPPPについては→「日本こころの安全とケア学会」へ) - 【特集9】病棟でのリカバリー 2人の看護師より/ふらい☆(看護師)、塩澤宗徳(長谷川病院看護師)
精神科病院で働いている2人の看護師さんからの言葉 - 【特集10】医療の場でリカバリーをめざす リカバリー全国フォーラムからの報告~医療サービスの見える化からピアサポートの可能性と広がり~/相澤和美(国際医療福祉大学大学院)、川口敬之(北里大学医療衛生学部作業療法学専攻)
リカバリーフォーラムでの今までの取り組みです - ※2019年のリカバリー全国フォーラムのプログラムは→コチラ
以下、連載の一部を紹介します。
菊地俊暁先生(慶應義塾大学病院)と黒川常治さん(巣立ち会ピアスタッフ)の「 うつ病Q&A」第11回は、「改善しないとき」です。
『発達障害 空気を読まずに、言いたい放題』 第28回 は、樋端佑樹(といばなゆうき(精神科医師))さんの『自分軸を見つけ社会人として生きる』です。
井坂武史先生(特定社会保険労務士)の「あきらめない障害年金」第10話は、「医療機関を受診していなくても障害認定してくれた例」です。
※連載については→コチラ