若者向け心のバリアフリー事業終了報告|松本国際高等学校 様(2024年1月15日)

2024年1月15日(月)に、長野県松本国際高等学校の3年生180名に出前授業を実施し、弊団体代表と副代表が講師を務めました。

精神障害に対する偏見を見直し、自らの心の健康を考える機会とするため、精神疾患のある当事者を講師として高校に派遣する「若者向け心のバリアフリー事業」の一環です。「若者向け心のバリアフリー事業」は、長野県健康福祉部保健・疾病対策課心の健康支援係が事業の実施主体です。
 
若者向け心のバリアフリー事業|松本国際高等学校
 
Ⅰ 事業実施内訳
 
日時
2024年1月15日(月)13:10~15:10

実施校・参加者

松本国際高等学校 3学年全員180名

講演等の実施内容

【講座テーマ】
人生なんとかなる!なんとかなるために必要な考え方や対処法を学ぼう

【講 師】
任意団体うつリカバリーエンジン(塩尻市)代表:長谷川洋 副代表:青木良樹
 
「就職後にメンタルヘルスの不調から離職する卒業生が多く、進学や就職で大きく環境が変化するにあたり、自身のメンタルヘルスのセルフケア等を学ぶ機会にしたい。」という先生からのリクエストがあり、テーマは「人生なんとかなる!なんとかなるために必要な考え方や対処法を学ぼう」にしました。 パワーポイントのスライドだけでなく、ペアワークを行いながら、2時間お話をさせていただきました。特に以下についてお伝えいたしました。私語も少なく、生徒たちは真剣に話を聞いてくれました。
  • うつ病と自殺の関係を知る
  • 人生のリスクを知ろう
  • ストレスに強い心を手に入れる
若者向け心のバリアフリー事業|松本国際高等学校
 
 
Ⅱ 受講生の感想 ※アンケート結果抜粋
 
感 想
1 私の母は双極性のうつになったことがあって、母の母が交通事故で亡くなってしまったのがきっかけだと聞きました。そんな状況だったのに、母自身は立ち直って私を産んでくれたんだな、と今日の話を噛み合わせて感謝の気持ちでいっぱいになりました。いつまた母がそういう状況になるが分からないから、今日の話を参考にし、少しでも自分が母の気持ちに寄りそえるようにしたいです。
2 私自身部活のことで体に症状が出るほどつらくて悩んだことがあった。最初は相談できなかったけど、ある時涙が止まらなくて本当につらくなったときがあった。お母さんに言葉が出ないので手紙で相談したら精神科に連れていってもらえた。今ではあまり悩むことなく生活できていて本当に感謝している。自分の体験も含めて今回の話を聞いて相談することはとても大事だと思った。
3 悩んだり考え込むことはもともと多いけど、3年生になって特に落ち込んでいることが多くなって、周りのみんなも同じように悩んでいるから友達に相談していいかもわからずに過ごしていたけど、話し方を考えて相談することで、できるようになるになるかもしれないと思いました。
4 私は心の病気であるうつ病について、今回の講義ではつらくなったときの対処法や、体に出る不調について知ることができ、とても役に立った講義だと個人的には思いました。身内にうつ病で苦しんでいた人を見ていたからこそ、心の病は他人事ではないと感じました。長谷川さんと青木さんの話を聴いたことで改めて、そのつらさや苦しみがわかり、自分はどのようにストレスに対して、向きあうのかを考えさせられました。今後の生活で今回の講義を生かしていきたいです。
5 自分の周りには、うつ病などの病気を持っている人が特にいないから、話がピンと来なかったけど今日の話しを聞いて、少しうつ病になるとどんなに大変かとかストレスをためるとよくないかが分かった。 友達からよく相談を受ける事があり、毎回、アドバイスというか話に共感し、こうしたらなど言うけどそれが友達の求めているものなのかも分からないし、それで友達の心が晴れるのかって言われても分からないけど、自分はしっかり相手の心に寄り添えていると思う。 自分も、もう少し悩みや相談事があったら友達などに話したいと思った。自分の中で解決するだけでなく、誰かに相談する事で、自分以外の考え方を感じる事が出来ると思った。
6 今回の授業でなんとかなると思える力をつけられました。 ある程度理解できるという、予測がつく感覚がつきました。今自分に起こっている出来事について、向きあいその出来事に対して自分なりに解決を出す力を学べました。そしてうつ病原因などを知れたので、自分で対策を考えそれに対してリカバリーを考え生活したいと思いました。そして『ガレージとーく』に参加したり周りの環境に頼って生きたい。
7 自分は電話越しに人と会話するのが苦手なので、もしうつになったりしても ホットラインや電話で相談などは難しいと思うが、誰かに話して理解してもらう対面型のやり方はなんとなくハードルが下がる気がするので良いと思った。でも、相談して、好ましい態度の答えが出てきたとしても、気持ちが落ちている時は誰も信頼できないのでお世辞だなと思ってしまうので 、どう返しても正解ではないんだろうなぁとも思いました。
8 自分はまだうつ病になったことはないが、 これから社会に出たり環境が変わったりしてなってしまったら、無理をしないようにしたい。 1人で溜め込まず、必ず誰かに相談するようにしたい。
9 うつの人には、うつの人にしかわからない苦労があるということを知れて、勉強になりました。自分は今までうつの人と関わったことはないけれど、誰でもなってしまう可能性があるから、将来自分も、他人でも、うつになったら理解してあげることが大事だなと思いました。
10 今回の講義をお聞きして、今まで私は中学校までは大体が同じ仲間で過ごしてきた のですが、高校に来て誰も知っている人が居なくて不安になっていたのですが、クラスの人や先生に助けてもらいながら3年間過ごす事が出来ました。これから大学に進学して、 また知らない人しか居ない生活になり、県外の大学なので一人暮らしになって今までは、 親に話を聞いてもらったりご飯を作ってもらっていた生活が無くなり本当に不安で、 私は一人で4年間も生活出来るか、友達はできるのかなど頭の中は不安でいっぱいですが、講義でお話して頂いた「今までの経験からなんとかなる」と思えるように前向きに捉えて自分のストレスサインを知り、ストレスをため込まず、友人などに相談したりしながら、この先の人生も自分らしく生きていきたいと思います。貴重なお話をして頂き、本当にありがとうございました。
11 今回の講演を聞いて、まず最初に思ったことはうつ病は、他の病気よりも治すことが難しく亡くなってしまう人も結構いるんではないかと思った。自分も県大会で負けた時に自分のせいで負けたとずっと思い、気分が全く上がらず落ち込んでいる時に、クラスの友達にとても救われた。話しかけてくれたり、笑わせようとしてくれたりしてくれていた。この支えがあったからこそ今元気に生活出来ていると思う。うつ病になった人も、最初の頃に、自分とは違ってもこういうことが起きている。だから、これをきっかけにいつもと様子が違う人に話しかけたい。
12 うつ病が自殺における最大の理由であることに驚いた。自分はストレスを無意識のうちにためてしまっているため、 他人に気づいてもらう必要があるため、難しい問題であると感じた。心が疲れてしまった人に対して、気を遣った言葉をかけられなかったことがあったと思い、反省しなければならないと感じた。 全ての人間が自分と同じ思いをもっている訳ではないため、 友人などが悩んでいたり、普段と違う様子であった際には、ちゃんと向き合って相談に乗ってあげたいと思った。将来自分に子どもができたときには、心のサインに気づいてあげたい。
13 自分は中学の時にうつの1歩手前まできた人間なので、自分と同じ気持ちの人はたくさんいたんだと思いました。僕は学校が好きだけど体調が悪く授業も受けられず、寝ることしかできない状態がずっと続きました。本当に死のうかと思ったこともあったんですが、もとからポジティブに考える性格だったので、少しでもいいことがあったら喜びに変えて、何か嫌なことがあっても次につなげるなどして、5〜6年かかったんですが、今では好きな学校にも行けるようになりました。この経験をしてからいろんな人の相談にものるようになって、今回のお話はとてもためになったし、自分と同じ人がいてなんかほっとしました。
14 うつ病のことについてよく知らなかったけど、うつ病は他の人にはわからない苦しさがあることがわかった。うつ病になった人が自殺するまで苦しむのをはじめて知ったし、そんなに苦しい病気にはなりたくないと思った。うつ満に周りの人がなったらしっかりサポートしようと思いました。
15 ペアワークの時に実際に相談役や相談を受ける役をやって、もし自分が相談した時や受けることになったときに役立てて、相手に相談してスッキリできたらいいなと思いました。 もし、自分がうつになったとしても心の内にしまわず、相談してみたり体を動かして発散できるようにしたいし、相談されたらきちんときいてあげられるようにしたい。
16 うつ病で困っている人が誰にも話すことができず、命を絶つニュースをよく見て、自分は恵まれていることを改めて実感できた。困っている人がいたらよりそう人間になりたい。
17 相手に相談された時にいつもは何て返せばいいか分からなかったけど、今回の授業を通して、いい返し方を学ぶことができた。今回学んだ返し方で相談を聞きたいと思った。
18 今までは、自分も味わったことのない、分からない領域として何も思うことはなかったけど、今回の講演会を通して、精神的に疾患がある人も世の中にたくさんいて、今現在辛い思いをしている人が近くにもいるかもしれないと思うことができたから、 そのように困っている人を支えられるような存在になりたいです。 2時間ありがとうございました。
19 私の知り合いにも2人、うつになってしまった人がいてよく話をきく機会がありました。でも、私はその話を理解できず、しっかり対応ができなかったので、今後は相手の事を考えて発言をし、心の支えになってあげたいと思いました。
20 正直うつ病になったりする人は、甘えだったり自分がただ弱いだけだと勝手に思っていたけど、話を聞いてそんな簡単なことではないことをよくよく理解しました。ありがとうございました。
21 母親がうつっぽかった時があったので、こんな感じだったんだなと思いました。
22 自分はならないだろうと思っていたけど、今回の授業でうつ病は誰でもなる可能性があることが分かった。もし、自分に本当につらいときがあって、もうどうすればいいか分からなくなったら、自分でどうにかしようとして誰にも相談しないのではなく、誰かに相談して助けを求めようと思った。それでも誰にも話せなかったら、相談窓口を利用するのも1つの手だと学べた。
23 これから新しい環境にチャレンジする時期にお話を聞けてよかったです。また身のまわりの人で困っている人がいたら、助けられるような声がけをしたいです。
 
 
Ⅲ 講師の感想
 
感想(講演内容や受講生の反応など全体を通して)
1 過去に別の主催者による他校での出前授業を見学しました。1時限でも生徒は集中できずうるさかったため、生徒が真剣に話を聴いてくれるかを心配していましたが、120分間集中して話を聴いてくれて良かったです。ペアワークも真剣に取り組んでくれました。
2 心の健康だけでなく、卒業後に人生の壁にぶつかったときにどう生きるか?を伝えたいという思いで、資料を作成しました。講義に使用したPowerPointのスライドは74ページにもなり、作成に一ヶ月を要しましたが、生徒からのアンケートには、「とても役に立つ内容で良かった」という感想が多く書かれていました。準備は大変でしたが、やって良かったです。
3 以前、他校に出前授業の提案をした際に、「忙しくそれどころではない」と言われた学校もありましたが、藤松先生の熱意を感じました。事前打ち合わせや当日のご協力に感謝しています。
4 授業終了後に記入してもらったアンケートの「今後もし困ったときやつらいときに、誰かに相談しようと思いますか?」というに質問に対し、80%が「相談しようと思う」と回答していますが、そのうち、「相談窓口(専門機関や学校)を利用しようと思いますか?」の質問には、60%が「いいえ」と回答しています。相談はしようと思うが相談窓口は利用しないという割合が高いのが気になりました。
 
出前授業の企画から1年8ヶ月で、ようやく実施することができました。

今年は、うつ病の当事者が長野県内の高校に出向き、自身の体験などを話す出前授業に力を注ぎたいと思います。 弊団体では、うつ病・自殺対策・学校メンタルヘルスリテラシー教育などについての講師派遣を行っています。お気軽にお問い合わせください。

 お問い合わせ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA