『IPS援助付き雇用』とは?

IPSとは、本人に「働きたい」という希望があれば一般の職に就けるという強い信念に基づいてサービスを提供する就労支援モデルです。正式名称は「Individual Placement and Support」と言い、個別の就労活動支援と職場定着支援を中心とした就労支援モデルです。

従来の精神障害や精神疾患がある方に対する就労支援は、就職活動前に集団での様々な訓練を重視したやり方が多く取られてきました。しかし、集団が苦手だったり症状に波があったりと、精神障害の特性と集団での訓練は相性が悪いことが多くあります。そのために就労を諦めてしまう人もいます。

しかしIPS援助付き雇用モデルにおいては、ご自身の希望や長所を尊重した職探しをいち早く行い、実際に働く職場に合わせた支援を行うことで、高い就職率や職場定着率が見込めることが証明されています。それは、就労に必要な支援の形は一人ひとり異なり、目的の仕事に合わせたオーダメイドの支援が、より効果的であるということです。

IPSが大切にする8つのこと
  1. 働きたい全ての精神障害者が対象
  2. 就労支援と生活支援をセットにしたサービス
  3. 競争的雇用が目標
  4. 社会保障の相談
  5. 迅速な求職活動
  6. 継続的な定着支援
  7. 系統的な職場開発
  8. 全てのサービスは利用者の希望が優先される

 

日本における精神科デイケアと就労継続移行支援事業所は5,000近くあるそうですが、その中でIPS援助付き雇用の実施事業所は、20〜30だそうです。普及率では、0.3〜0.5%だそうです。

まずは「働きたい人は必ず何らかの方法で働ける」というIPS援助付き雇用の考えに共感する仲間を増やしたいと思います。そして、長野県内でIPS援助付き雇用を実施する事業所をつくりたいと思います。

『IPS援助付き雇用ー精神障害者の「仕事がある人生」のサポート』