2025年の自殺者数1万9097人、小中高生は過去最多に

厚生労働省は2026年1月29日、警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等について、2025年(令和7年)の年間暫定値を公表しました。小中高生の自殺者数は532人で、前年(2024年)の確定値から3人増。1980年の統計開始以降、2年連続で過去最多を更新する結果となりました。

今回の発表のポイント

  • 総数:19,097人(前年比1,223人減。1978年の統計開始以来、初の2万人割れで過去最少)
  • 小中高生::532人(前年比3人増。1980年以降で過去最多を更新)
  • 男女別::男性13,117人、女性5,980人(ともに減少)
  • 主な動機::「健康問題」が11,293件で最多。次いで「経済・生活問題」。

全体の総数が減少する中で、子どもたちの数字が過去最多を更新し続けている深刻な現状が見えてきます。

◎小中高生の自殺者数の内訳(暫定値)
2025年の小中高生の自殺者数は計532人で、前年(529人)を上回り、統計のある1980年以降で過去最多となりました。高校生の増加が、全体の数字を押し上げる要因となっています。

  • 小学生: 14人(前年比 1人増)
  • 中学生: 143人(前年比 10人減)
  • 高校生: 375人(前年比 12人増)

◎原因・動機の分析(主な傾向)
自殺の原因は複数が重なることが多いですが、厚生労働省の分析によると以下のような特徴があります。

小中高生全体:いじめが原因と特定されたケースもありますが、背景が複雑で特定に至らないケースも多いのが実情です。

  1. 学校問題: 学業不振、進路の悩み、入試の不安などが上位。
  2. 健康問題: うつ病などの精神疾患のほか、体調不良への悩み。
  3. 家庭問題: 親子関係の不和、家族からの叱責など。

成人を含む全体:特に、中高年男性では「経済・生活問題」による自殺が減少傾向にあり、これが全体の総数減少に寄与したと分析されています。

  1. 健康問題:11,293件(最多)
  2. 経済・生活問題:4,213件
  3. 家庭問題:3,828件

◎政府・自治体の今後の対策
今回の結果を受け、政府は以下のような対策を強化する方針です。

  • 「1人1台端末(GIGAスクール構想)」の活用: AIなどを使い、SOSを出しにくい子どもの変化を早期に検知するシステムの検討。
  • SNS相談の充実: 若年層が相談しやすいLINEなどによる相談窓口の体制維持・強化。
  • こども家庭庁との連携: 学校だけでなく、家庭や地域全体で見守るネットワークの構築。