髙橋聡美さんの著書『地域でできる自殺予防~基礎からわかるゲートキーパーの役割』を読みました

2022年5月30日に日本医学出版から発売された『地域でできる自殺予防~基礎からわかるゲートキーパーの役割』を読みました。著者は、2021年より一般社団法人髙橋聡美研究室を立ち上げ、自殺予防活動に取り組んでいる髙橋聡美さんです。

 髙橋聡美研究室

全国の自治体で「ゲートキーパー研修」が実施され、身近な人の心理的危機を早期に発見し、自殺を予防する取り組みがなされています。しかし、ゲートキーパー研修を企画する保健所、市町村も、どのようなコンテンツでゲートキーパー研修を行ったらいいのか、試行錯誤の状態です。

本書では、地域のみなさんにできる自殺予防とは何なのかを記します。そのためには、自殺の現状をまずは知ってもらい、どのような対策が必要なのか、そして身近で悩んでいる人がいる時にどのように声掛けをすればいいのかを記します。この本を読めば、ゲートキーパーのスタートラインに立てる。そんなイメージで言葉を綴りました。(はじめにより抜粋)

この本を知ったのはSNSでしたが、まだ発売前にAmazonで予約したので、発売日の翌日には届きました。自殺予防教育・SOSの出し方教育をされている髙橋聡美さんの本ということで、ぜひ読みたいと思い購入しました。

髙橋聡美さんがフリーランスになって、3年目で3冊目の本になるそうですが、

「ゲートキーパー研修、何をしたらいいの?」そんな自治体のために
「ゲートキーパー研修受けたけど、私になにができるの?」地域を支える皆さんに向けて

書かれたそうです。自治体・保健所・市町村の担当者、保健医療関係者へ向けた内容だと思います。

日本の子ども・若者の死因で最も多いのは自殺です。他の国は「事故」が1位となっていますが、「自殺」が1位なのは、G7では日本だけだそうです。また、自殺の原因で最も多いのは「うつ病」で、自殺の原因となる健康問題の4割が「うつ病」だそうです。

本書では、「死にたい」という人への対応について、自殺未遂時の家族・支援者のケア、リストカットを繰り返す人の理解、死別を体験した人への接し方などが書かれています。また、自殺予防教育についても書かれています。2016年に自殺対策基本法が改正され、SOSの出し方教育・自殺予防教育を各学校において実施することが努力義務化されました。うつ病や不安症などの精神疾患の10代の発症も多い中、生徒が病気についての正しい知識を得て、 予防や早期の治療につなげるため、2022年度から使用さ れる保健体育の教科書には、「精神疾患の予防と回復」の項目が設けられました。高校で精神疾患の予防や対処法を詳しく学ぶことで、精神疾患への偏見解消や生徒が早くSOSを 出し、周りの大人や友達、専門相談機関などに相談できるようになることが期待されます。

長野県における一昨年までの5年間の、未成年者の自殺者の66.7%を高校生が占めており、全国に比べて約25ポイント高くなっています。長野県内の高校でも、精神疾患の当事者の外部講師に よる授業を実施することで、高校生の自殺者の減少につながることが期待できます。

最後は、地域でできる自殺予防について書かれています。自殺予防というと、死にたいとか、生きづらさとかそういう深刻な話だけかと思っている人が多いかもしれません。生きづらさへの対策は自殺対策の根幹だと思いますが、その延長にあるのは、みんながそれぞれの個性を大事にしながら、笑いながら生きる社会です。みんなが地域のゲートキーパーになることが自殺予防につながるのだと思います。

『地域でできる自殺予防~基礎からわかるゲートキーパーの役割』

 

『地域でできる自殺予防~基礎からわかるゲートキーパーの役割』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA