駒崎弘樹さんの著書『政策起業家-「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』を読みました

2022年1月5日に刊行された、駒崎弘樹さんの著書『政策起業家-「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』を読みました。『政策起業家』を知ったきっかけはSNSでした。いつも本はAmazonで買うのですが、すぐに欲しくて近所の書店を3軒ほど回って、ようやく買うことができました。

駒崎弘樹さんと言えば、認定NPO法人フローレンス代表理事であることは、皆さん知っていると思います。2007年に出版された『「社会を変える」を仕事にする』も購入し、今も手元にあります。わたしも含めてソーシャルビジネスに関わっている人には、駒崎弘樹さんは憧れであり目標となる存在ではないでしょうか。『政策起業家』を読んでいる途中の2月10日に配信された「政策起業家」出版記念対談イベントも視聴しました。

私たち一人ひとりが政治や政策を担う主体として参画し、知恵を出し、手を動かしていくために、投票以外で民主主義に参加する方法を「政策起業」と呼びます。

経済を支える若者が減り、高齢者が増え、どんどん貧しくなっていく日本。加えて、地球規模の気候変動、度重なる災害……。こうした未来を、私たちは子どもたちの世代に残したいでしょうか。
もはや「偉い人たち」に政治と政策を任せるだけでは足りません。
私たち一人ひとりが政治や政策を担う主体として参画し、知恵を出し、手を動かしていくために、投票以外で民主主義に参加する方法を「政策起業」と呼びます。

駒崎は、全国初の共済型・自宅訪問型の病児保育事業「フローレンスの病児保育」や、今や全国約5,000施設(※2019年4月時点)に広がった小規模認可保育所のモデルとなった「おうち保育園」、日本で初めて障害児を専門に長時間お預かりする保育園「障害児保育園ヘレン」などを次々に事業として立ち上げ、その知見をもとに政策提言を行い、社会を変えてきました。

しかし、この活動は「限られた才能ある人が成し得るもの」ではありません。
いまや、政策起業のやり方を知った人々が、社会を変える様々なアクションを手掛け始めています。

わたしは「うつリカバリーエンジン」という任意団体で活動しています。事業内容は以下になります。

  • 学校メンタルヘルスリテラシー教育の普及及び実施
  • 精神障害のある方の就労支援
  • 障害福祉事業所および介護事業所のICT化、業務効率化の支援
  • うつ病の方の症状改善支援
  • 社会復帰(復職・再就職)支援
  • ベンゾジアゼピン系薬剤の減薬・離薬に関する情報提供、啓発
  • 企業におけるメンタルヘルスの相談、研修、情報提供等
  • ピアサポートグループ「ガレージとーく」の運営
  • ピサポートグループ立ち上げ支援

たくさんありますが、実際にできているのは3つくらいかもしれません。それはさておき、福祉、教育、雇用、医療に関わるものが多いと思います。事業をより広く大きく展開するには、政治家、官僚、自治体、関連団体などを巻き込んで行う必要がありますが、ほとんどの内容が該当するのではないかと思っています。

駒崎弘樹さんは、病児保育問題、待機児童問題、赤ちゃん虐待死問題など、子どもに関連した事業を行っていると思います。弊団体は子どもには直接関連はしていないのですが、社会問題の解決という意味において、駒崎弘樹さん自身の考え方やフローレンスの事業は大変参考になります。

帯に「クソくらえなルールを変えられるのは君だ」とありますが、なぜ問題に気づかないのかはてなマークなぜ変えようとしないのかはてなマークと思う社会問題はたくさんあります。『政策起業家』にも書いてありますが、こう決められている理由は何かはてなマークと役所の職員に聞いても「前からそう決まっている」という答えなど、ほんとクソくらえびっくりマークだと思います。

弊団体の日頃の活動の際でも、行政の職員に対してこちらから問いかけをしてもスルーされたり軽くあしらわれたりと、塩対応をされることもあり滅気そうになります。そんなとき、『政策起業家』の中で何度も壁にぶつかる駒崎弘樹さんの姿は励みになります。

『政策起業家-「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』

『政策起業家』を読んで、政治家でなくても官僚でなくても社会は変えられるんだびっくりマークという希望を感じました。

個人やNPOが政治に働きかける方法が良くわかるという点でも面白いですし、実際に最近の政策がどういった形で変えられてきたのかについても、詳細なエピソードを交えて紹介されています。

わたしは駒崎弘樹さんのような高学歴もありません。故に国の有識者会議に出るとか、首相官邸に行くとか、官僚に会うとか、そんな方々とのご縁もできそうもありません。それでも会えそうな人、話を聞いてくれそうな人に飛び込むことはできるかもしれません。

日本人の政治に対する無関心さには、「どうせ変わらないよ」という諦めの気持ちからかもしれません。今の日本社会の問題を政治や行政のせいにして文句を言うだけなら誰でもできますが、おかしいと思うのなら声をあげればいい。現場から小さな制度・政策イノベーションを起こし、それを広げわたしたちの社会を変えていく。そう思うとワクワクな気持ちになります。

SDGs時代のソーシャルビジネスに関わる人には、特にオススメの一冊ですグッ

『政策起業家-「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』

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